大きなサイジングに極端に毛足の長いファブリック。

まるでヒマラヤに生息するとされているUMA、イエティのような風貌のこのベストは間違いなく今シーズンの中でひときわ存在感を放つアイテムだと思います。

見た目のインパクトの高さが故に多くの言葉はいらないとは思いますが、今回はこちらのアイテムのご紹介を。

表裏両面で着用可能なリバーシブル仕様にて製作された今回のベストですが、どちらにもそれぞれに魅力があるため常にどちらかの選択を迫られるのが唯一の悩みどころでしょうか。

冒頭で触れた毛足の長いファーの面はこれから迎える冬のシーンにもすんなりと溶け込むビジュアルが最大の特徴ではありますが、素材感を強調させるためにポケットなどのディテールを一切排除したデザインのバランスも潔さがあり洗練された印象を与えてくれます。

こうしたこの季節にしか触れることのない素材感を纏うと、やはり気分も高揚し改めて洋服の楽しさせを再確認させてくれます。

そして個人的に特筆したいのがもう一つの顔。

逆の面にはこれまでURUがとある生地メーカーさんと長い時間をかけて開発してきた、ブランドとしては非常に思い入れのあるウールポンチという素材を採用しています。

このウールポンチ素材、布帛のような佇まいながらもその組成は実はニット。

編み物でできているためフワッと柔らかく体に馴染むのはもちろん、ウールの風合いを限りなく表現するために施された超圧縮加工により、アウターとしての重量感もキープしたURUの中ではお馴染みのオリジナル素材です。

一見対照的な二つの素材を使用した今回のベストですが、どちらも着ている人を優しく包み込む内包的な魅力も備えているアイテムだと思います。

全国的にも急に気温が下がり肌寒い日が多くなってきた今日この頃。

嬉しい悩みを抱える日も近いようです。