Cotton denim

Aug 10, 2023

好評だったSS23の5ポケットデニム。
インディゴのワンウォッシュとビンテージウォッシュの2種類での展開だった。

古くからお付き合いのある岡山のデニム工場さんと協業して作った適度なオンスと凹凸感のあるデニム生地を使用し、深めの股上と適度に効いたテーパード、そして足元のおさまりの良さを考慮したジャストなレングスで仕上げた一本。

個人的にもとても気に入っており、年明けから今に至るまでデニムはこれ一辺倒だった。

そして23AWシーズン。
URUの秋冬ラインナップの中にあの履き慣れた濃いインディゴと薄いインディゴのパンツの姿はなかった。

できれば追加で購入したいほど気に入っていた私にとっては少々残念ではあったが、変わりにこれまでみたことのない表情の黒いデニムが並んでいる。

タテ、ヨコ共に黒の糸を使用したオリジナルのデニムをベースに、特殊な洗い加工によってあたりをつけ、仕上げにベージュの染料で染め上げた独特な色味とタッチ。

所謂ブラックデニムとは一線を画すこのデニムを見て前シーズンのものとはまた違った良さを感じ、この秋冬に着用している自分を容易に想像できた。

漆山の頭の中の引き出しに整理されているデニムの知識は広くて深い。

きっと誰もが通るオーセンティックなアイテムだからこそ長い時間をかけ真摯に向き合ってきたのだろう。
その中でその歴史的背景とのバランスに矛盾のない合点がいくデザインポイントを探っているように感じる。

そして出来上がったものはいつも私の想像を超えてくる。

最初は違和感がありながらもどこか必然的で、インパクトがありながらもとても実用的。

アーカイブにリスペクトを払いながら丁寧にリノベートしつつ、そこに現代の空気をミックスしてアップデートしていく物作りの姿勢がURUのデニムの根底にはあると思う。